後で後で、と書いていつも書かない…
ので、メモ程度に書いておきます。
(メモのくせに長くなってます)
別にまとめたのあるんですけど、
あくまでこういう(日記)場なので
過激にならない程度にだらだら書いてみます。
国立国語研究所による、
「病院の言葉を分かりやすくする提案」
のフォーラムに参加しました。
中間報告の時も経過を拝見しており、
どうなったかなーと思っていましたので。
国語研の田中牧郎氏による調査の概要から始まり、
矢吹清人医師(矢吹クリニック院長)、
三浦純一医師(公立岩瀬病院医局長)の
2名の臨床医によるエピソードや取組みの紹介、
医療者でない立場からは
患者支援団体いいなステーションの和田ちひろさんが、
お話をされました。
医療におけることばの問題は
米国では公民権運動や女性解放運動などの背景の下
70~80年代にいくつもの研究がなされていますし、
医療語/日常語に関しても問題視されてきました。
また、公的文書などが分かりづらいなど、
Plain English(易しい英語)という運動もありました。
言語の民主化の問題です。
日本では近年、マジック・ワードの「コミュニケーション」が
幅を利かせており(英語教育からいじめまで)
非言語コミュニケーションへの誤った理解や
「心」という精神論に走った論調が散見されますが、
ことばそのものに注目した話はあまりなかったように思います。
貴重な報告だったことは間違いありません。
と、偉そうなことを書きましたが、
実際、医療を取り巻く問題群はメマイがするほどで、
地道に少しずつでも取り組んでいくことが必要だと思います。
その意味で、今回のように、
医療専門職と言語やその他の研究者、患者団体が、
連携してひとつのプロジェクトに取り組んだというのは
大きな意義があると思いますし、
将来にこういった連携の形が進んでいけば…という、
期待感の持てるものでした。
内容については、近刊の、
『病院の言葉を分かりやすく』(勁草書房)
を読んでもらうのが一番早いです。
今日は先行発売で入手できましたので、
ひととおり目を通しましたところ、
今日の内容はほぼすべて網羅されていると思います。
医療者への提案として編まれているもののようですが、
医療を受ける側にとっても勉強になるものです。
知らないコトバが並んでいてちょっとびっくりしました。
がん以降、ちょっと医療用語とかに詳しくなった気がしますが、
フォーラムで和田さんが述べておられたように、
疾患によってまったく知らない言い回しや語彙があることを、
まさに感じさせられました。イレウスとかね。
分かりやすく言い換えるということは、
医療を受ける側にとって理解を高めることになり、
結果、医療者にとってもスムーズに目標を達することに
つながるかもしれませんし、
医療者自身の理解の明確化にもつながるのではと思っています。
というのは、科学的専門用語は、
モノによってはかなり統一的な意味論構造があると思いますが、
中には実は構成概念にかなり揺れがあるものもあります。
医療(*医学のみに限らない)は文系・理系の
混合体の様相を呈する部分がありますので、
そういった意味では、理解の深化につながるのかもと。
さらに、自分の研究に関連付けて言うと、
多文化間医療コミュニケーションにも大きな示唆があります。
示唆というより、そのまま活きますね。
分かりやすい言葉に置き換えるということは、
日本に暮らす日本語を第一言語としない人にとって、
その理解可能性が飛躍的に高まるはずです。
そして、医療通訳が入る場合でも、
高度な医療専門語を駆使したものを訳すのに比べ、
通訳者の負担が減り、訳出の精度が高まることが
十分期待できるからです。
最後に、国語研の言語へのアプローチには、
言語というものの捉えかたにおいて
個人的には賛同できないのですが、
共同で、社会で、ことばの問題を考えていくという姿勢は、
とても重要だと思いますし、
批判的に医療と言語の問題を考える機会になった点でも
今回のフォーラムは学ばせてもらいました。
恐らくどなたも見ていないと思いますが、
関係者の方々にお礼申し上げます。